スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【6/10】 感想「むげんのみなもに」

 
 商業誌です。積んであったのを読んでみたところ素晴らしかったので。
 作者のお名前は高崎ゆうき先生、全2巻。
 
 最初から重要なこと言いますが百合ってやっぱ道ならぬ恋ですよね。
 つまり背徳感情とか、自分自身への葛藤とかと切り離せない部分があって
 女の子がそんな自分についてじっと悩んだりとか、
 でもやっぱりあの子が好きなの……! みたいな、
 そういう心理(真理)がきちんと繊細に、かつ慎重に、かつ哀切に、
 そして何より空気感豊かに描かれているかどうかってのが
 百合作品の好き嫌いにすごく直結するのですよ私の場合は。

 ええい自分で言ってて恥ずかしくなるな。
 で、その葛藤が行き着くところまで行き着くと
 当事者の女の子同士では完全に二人きりの世界ができあがって、
 外部世界とのコミュニケーションの断絶や拒絶が生じる。
 二人きりの世界に残るのは相手への依存、病的なまでの深愛、
 ――それを得るための犠牲。
 世俗的な言い方をすれば「あなた以外誰も見えなくなる」ってやつです。
 桜庭作品的に言えば「because i miss you」みたいな。

 で、やっと本題。
 この作品ではそんな鳥籠の楽園で暮らす二人の少女が、
 自らの世界を形成するために必要な「嘘」を巡って揺れ動き続けます。
 死ぬことのできない少女と、人よりも早く時間を消費してしまう女の子。
 時間感覚を完全なる対極に置かれた二人が、
 残酷な運命に抗いながらただ一途に相手を求め続けるという物語です。

 二人だけの幸せを噛みしめ、それが壊れることなく続くことを願い続けて
 他者を排し、世界を排し、都合の良い嘘を塗り重ねていく。
 自らの欺瞞に蝕まれ、少しずつ壊れていく自分を自分で認めながらも
 幸せを失う怖さに怯え、螺旋の如くにまた罪と嘘を重ねる……
 神秘的な少女達が本作で紡ぎあげていく「純愛」は、
 冷たく苦く狂おしく愛おしく、もーただただ素晴らしいの一言!
 誰にも理解できるであろう普遍的で原始的で、残酷で透明な愛の本性が
 「百合」というモチーフによって浮き彫りになる。
 百合というエッセンスを除いても素晴らしいけれど、
 百合漫画だからこそより一層この作品は輝いている。
 


 ……いや実際は表紙買いだったんですけどね(ぇ
 まことに素敵な百合漫画に出会えました。
 「あなたのしあわせは、誰かのふしあわせ」
 「善良な人は回れ右。誰かを愛する悪い人だけ、この本をどうぞ」 
 
帯のキャッチコピーも、とても素敵。
 一人ひとりの心の動きが、冷たい痛みと共に敏感に伝わってくる作品です。
 特に百合好きな人はぜひとも、本屋さんかamazonで探してみてくださいな。
 
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

リンク
プロフィール

< リンク等はサイトの方へ!

Author:< リンク等はサイトの方へ!
FC2ブログへようこそ!

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事
検索フォーム
QRコード
QRコード
月別アーカイブ
最新コメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。