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【6/17】 Viraja Aupamya九日間感想連載◆3日目『書簡集』

 
 なんかぽけーっとPSPミルホ2のプロモーション動画を観てたら
 ものすごい勢いで興味が湧いてきたというか。
 まず追加キャラのビジュアルが何というかすごい好き。そして曲が好き。
 とはいえ1をプレイしていないので興味を抱くまでで終わる可能性大。
 
 アニメ? アニメは観たけど。
 逆にアニメの破天荒さが原作への興味をかき立てたのは
 紛れもない事実なんだけども……。
 
 あーやりたいゲームや読みたい小説漫画が多すぎて。
 夏休みが11ヶ月くらいあればいいのに。
 というわけで、今日も感想的な何ぞ。

 
『書簡集』
 佐藤厚志さん

 言うまでもなく、全収録作品の中でもっとも難解な作品。
 派手な誤読やらかして恥かくのも切ないし、
 感想を投げ出してしまおうかという衝動にかられたりも。
 ただまあ、どうせ個人のブログだし誤読でも何でも良い、
 とにかく感じたことを感じたままに書いておこうということに。
 というわけで、誤読でも良いやと思いつつ
 この作品の美しさ、気品について何とか表現できればと思い筆を執ります。

 三作品連続の書簡体と紹介されている本作。
 一般的に書簡というと誰かに宛てて書き記した長い文章ですから、
 必然的に「相手」、封書に書かれた宛先の存在が強く意識され、
 心象風景にしても語りの構成にしてもその影響を強く受けるのが普通です。

 この作品は、三作の中で最も書簡たる雰囲気を持っています。
 ここまでの二話はというと、書簡の体裁を取りつつも
 懇切丁寧に読者にストーリーを語り聴かせる作品であったり、
 書簡というより手記に近い性質のものだったりした。
 結果、本来宛先であるはずのない我々「読者」が、
 その差出人との対話性を簡単に感じることが出来ていた。
 封筒に宛名を書きつつ、その実手紙を開けるのは読者なのだという想定を
 排すことなく、小説の一つの形態として記述体が利用されていた。

 ところが、本作の宛先はというと決定的に登場人物の住所です。
 タイトル「書簡集」に偽りはなく、
 作品はさながら長きにわたってしたためられた手紙の書簡入れをあらため、
 あくまで無関係な立場からそのやり取りを盗み見しているような塩梅。

 ゆえに語り部・風見幽香から何者かへと発され続ける言葉は、
 読者に朧気な全体像のみを与えつつ、
 一方ひたすらその宛名たる「何者か」の存在感を匂い立たせ、
 読者の激しい興味を惹起して止みません。


 私達に、彼女の見聞きした物語の全貌が伝わることはありません。
 あらすじはというと前文に書いたとおり難解で、
 私がしたり顔で解説するのはやはり避けます。無理。

 しかし直感にしたがって感想を記すと、
 この作品はひょっとするとさほど難解なギミックでも、
 まして高邁な哲学でもなく、
 ただ四季の流転という誰もが知る理を結晶させたものなんじゃないかと、
 そんな気がするのです。春夏秋冬と巡りて同じ春は二度巡らず、
 芽吹いて萌えて枯れて散って同じ花は再び咲かず、
 されど次なる花を咲かすのは前の季節に落ちた種。
 そんな断々固たる世界のことわりに、風見幽香という語り部をもって
 機械的な感傷を織り込んだのではないか。
 そんな当たり前の道理に当たり前の手段として、
 彼女は次の「季節」へと手紙をしたためることしかできないのではないか。

 読者がその一端を本作で垣間見ているのだとしたら、
 風見幽香の荒涼とした無常観、ささやかな幸福とそれ故の寂寥感、
 文面から痛切に伝わってくるそんな感情も嘘ではないのだろうと思います。
 淡々としつつも切迫した彼女の行動は、いわば植物的な官能性に満ちていて、
 さながら自らを季節の花であると見立てているようです。
 私にとってこの難解な作品は、多少大袈裟な言い方になりますが
 この星が自らの営みを風見幽香を依り代にして語っているような、
 そんな切ない作品に映りましたがどうでしょうか。
 
 ◆

 この清涼なる作者様に拍手!
 というわけで明日は4日目、『砂糖菓子の爆弾はぶっ壊す』に続きます。
 
 
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