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【9/9】 読書感想文「永劫残夢」

 
 あっ読書感想文と批評文の違いとかそういう話は無しでおねがいします……
 そういう難しいお話は苦手なんで!

 えっとネタバレするかもしれません。


 ◆











 短編を思わせる厚さ。その割に近藤さんが「自信作」と意気込んでたので、
 濃密に怒濤のように走り抜ける、めくるめく物語を想像していたのですが、
 蓋を開けてみるとなんとも思ったよりも話が小さかったなという印象。

 でもそれは私が近藤さんの様子から勝手に想像しただけのもので、
 批判の意図は別に籠もっていないことを念のため書き添えます。
 まあ特長か欠点かで言えば、やっぱり欠点なんでしょうけども。


  
 最後まで埋まらなかったのは、温度差とでも言うべきなのか、
 どうも読者としてのハートが煮え切らないまま本が終わってしまいました。
 作者が一人で走りすぎてしまったような感覚。

 近藤さんの飄々とした作品を批判した過去があるだけに後ろめたいですが、
 今回の感想を率直に言えば、もっと問答無用の力強さがほしかったところ。
 ガチで引っ張り込んで行くにはパワーが少し、足りなかったような。

 バランスの問題かもしれません。私との向き不向きかもしれません。
 あるいはもっと残酷に、単純に作風の向き不向きがあるのかもしれないし。
 取り残されたというよりは、乗りきれなかったというに近い感覚を覚えました。
 まだ掴めないな、まだ掴めないなと首を傾げながら、
 クライマックスも大方大詰めに近づこうかというところまで来て、
 そこでようやく初めて「永劫残夢」という物語に私は出逢えた気がした。
  
 理屈を言えば、どんでん返しやスペクタクルが足りないせいかもしれません。
 ただ、以下のとおりもっと本質的なところに原因があるようにも思われて。



 何となく、近藤さんがまだちょっと「照れてる」気がするのでした。
 書こうとしているものがそこにあるのに、真っ直ぐ向き合いきれていない。

 昔、何の時だったか、同じような指摘を近藤さんにしたことがありますが、
 その時からやや姿を変えて、ちょっと違っているけれど本質は同じ。

 あの時は「誤魔化そう」とした感じだったけど、今回は「照れてる」感じです。
 こいよベネット! といった具合に小細工なしで挑んだ気配はありますが、
 でもまだちょっと、格好つけようと小手先を動かしてる感じがします。
 愚直なまでに直球を放るべきところで、まだツーシームのような、
 微妙な回転をつけようとしている。
 それじゃダメだと思うのです。近藤さんが書こうとした、この物語では。

 しかしまあ、それは言うは易く行うは難しといったところ。
 書きたいことを真っ正面から物語に書き出すことがどれほど書き手にとって
 難しいことなのか、同じ書き手としてよく分かっているつもりです。
 それでも、愚直こそが一番強烈なパワーを持つのだとしたら、
 やっぱり最後に一かけら残った最後の薄皮は、もどかしくて仕方なかった。

 妖夢はもっと格好良くなれたと思うし、それは他の登場人物もそうだし、
 もっとドキドキワクワクにできる物語だったと思う。
 
 簡単に言えば、私は妖夢が何に葛藤して、
 なぜあそこまで「ムキ」になっているのかが最後まで分からなかったのです。


 歯切れの悪い感想になってしまいました。
 こういう時は「惜しい作品だった」などとよく使うのですが、
 惜しいと言うにもちょっと違う、今回の感覚。
 心躍るその振れ幅が物語の「面白さ」を表す指針だとするならば、
 この作品はあと一歩も二歩も私にとって不満足。だからかくも歯切れが悪い。

 妖夢のキャラクターはクライマックスまで来るとすごく魅力的で、
 原作を活かす形で誠実に投影されている。妖夢らしさも充分に感じる。
 その上で物語に昇華していて、作者の意気込みが成る程頷ける作品でしたが、
 光を秘めた原石で終わってしまったという印象を、私は拭えないままです。
 あるいは物語として、もう一、二イベントあれば良かったかもしれない。

 あとはやはり物語の中、特に剣戟シーンで「タイミング」「テンポ」など
 横文字が並ぶのは違和感を覚えたので、そこはどうにかしてほしかったかな。
 東方自体べつに横文字を拒絶するわけじゃないのですが、
 この物語だとどうしてもあれは、ちょっと稚拙に見えてしまうもので。
 
 ◆
 
 そういう作品でした。
 煮え切らない感想で申し訳ないです。
 昔みたいにフォロー入れて、けど言いたいことは言って……みたいな構成は
 もう歯が浮いて面倒なので、今回はできる限り率直に行きました。 
 
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