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【4/7】 電撃大賞小説。

 
 久しぶりにライトノベルの感想なぞ。
 ちと時間を掛けて読んでましたが、2010年度の電撃小説大賞から
 栄えある大賞受賞作品「シロクロネクロ」(多宇部貞人)。
 

「オレは死ぬ前に一度くらい、女の子とえっちしてみたかったんだよ!1!」

 不慮の事故で命を落とし、ゾンビとして生き返った主人公・由真。
 生き返らせたのは、美少女同級生・高峰雪路の秘術、屍霊術。
 由真を現世に繋ぎとめた本当の奇跡はしかし、彼本人の強い願望――
 「一度でいいから、女の子とえっちしてから俺は死にたい!!」

 そんな欲望を満たしたら、未練が消えて死んでしまう。
 けれど満たさなければ何度大怪我を負っても「えっちな妄想」をするだけで、
 不思議と治ってしまう不死身の身体を得た由真。
 高峰を狙う悪党は引きも切らず押し寄せ、由真は何度も致命傷を追いながら
 ある時はスリーサイズ、ある時はおっぱいやパンツに埋もれ、
 禁欲と絶倫の狭間で美少女を守り守られる生活を楽しんでいく……。


 ◆

 あらすじ書きだけ読めば、外に見えている明確な地雷。
 見えている地雷は地雷と呼べるのかどうか?
 それを確かめるべく本を取った(嘘)ので期待値は相当低く、
 個人的に数年前の大空振りとして苦い想い出のある「ほうかご百物語」の
 二の舞も想定の範囲内――そんな覚悟だった本作、どっこい百八十度の転換。


 ……面白かったです。見事でした。
 久々に電撃文庫で、上手に突き抜けた作品を見ました。
 去年の「幕末魔法士」も個人的にはお気に入りでしたが、
 あちらは「秀作」でこちらは紛れもなく「大賞受賞作」。
 
 一見「ダメラノベ」の典型パターンを山のように盛り込みつつ、
 終わってみればライトノベルとして完成している。
 そうか、これがライトノベル。
 荒々しくがんがん書き綴り、物語が物語のままダイレクトにやってくる。
 このパターンだと普段なら読み止めてしまいそうなものなのに、
 読み続けていくことが驚くくらい苦にならなかった。


 まず構図が分かりやすい。
 気取ったお洒落や狙い澄ました複雑さがない、言わば若者向け。
 血生臭い描写とえろえろなくだりを、常識に遠慮せず強引に押し込んでくる。
 シリアスさと下品さを一見大雑把に盛りつけて、
 普段の私ならアレルギーを起こしそうな文体で軽妙に綴っている。

 一歩間違えば三流以下の駄作小説ながら、 
 粗を粗とせず、小綺麗にまとめることにも、小説らしくつづることにも徹さず、
 まあ一言で言うならまさにライトノベル。不作法上等です。
 文学グルメな方が読んだら卒倒間違いなしの本ですが、
 あっははは、これがラノベだよね! と断じられる作品。
 これを電撃が大賞としたことで、来年の同じ大賞作品にも期待が持てます。


 
 他人には勧めづらいかな――とちょっと思いました。 
 ですが今でもラノベ好きの人になら、間違いなく推薦できる作品です。
 行儀悪くて品が悪くて、何かと言えば血飛沫で、二言目にはえっちな台詞。
 良い子はマネしちゃいけません!
 
 ……でも小説を書く真似事にささやかながら身を置く者として、
 自分の考えるラノベって小さなことに囚われているなー、と思わされました。
 面白い以上に、これで物語が綴られていることが心地よかったです。
 久々に五臓六腑まで満足のいく、「電撃大賞」受賞作品でした。
 
 ◆
 
 明日の告知。今回はかなり早いので、お付き合いいただける方のみ。
 http://std2.ladio.net:8100/hutuotahangon.m3u
 ラジオ(第69回)
 4月8日(金) 21時00分~21時30分終了予定
 中止 すみません、仕事から帰れません……

 ブラウザチャット
 http://www.cometeo.com/room/mdCzyBll/
 
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